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星と核融合

 星を作っている物質はほとんどが水素ですが、この水素が4個集まって1個のヘリウムになるプロセスを核融合といいます。このとき物質がわずかに失われてエネルギーに転化し、このエネルギーが星の輝きのもととなります。核融合によって星の中心部には燃えかすのヘリウムが溜まり芯ができますが、やがて芯が大きくなると中心部が温められて温度が上がってきます。そうなると星は、超巨星となって一際明るく輝き、老年期から終末期に進んでいきます。太陽の10倍以上という巨大な星が死滅する前には一際眩しく輝く時期があります。この事情を知らなかった昔の人々は、この輝きを星の誕生と考えました。死滅する星のことを超新星と呼ぶのはこのためです。

 星は膨大な物質が集まってできています。その巨大な重力でどんどん縮もうとするわけですが、前述した核融合による内部からの圧力のために或る程度の大きさを保っています。だから、一生が終わって核融合反応が止まってしまうと、後には重力だけが残されるのでどんどん縮んでいくことになります。

 死滅する星が、ある程度以上の大きさであった場合、その星の重力は非常に大きなものになります。そのため、残された物質はギュウギュウ詰めとなり、電子・陽子・中性子などの素粒子に分解されてしまいますが、この状態だとすぐに電子(−)と陽子(+)がくっついて中性子になるので、結局は中性子だけの星になります。このような中性子だけで構成される星を中性子星といいます。

 中性子星より多くの物質を含む星では、その重力を中性子では支えきれず、さらに縮んでいくことになります。どんどん縮んで点までいってしまうと、アインシュタイン理論によってその周りに光さえ脱出できないバリアーができる事がわかっています。これがブラックホールです。

2001/06/09(Sat)
ラプラス理論

 ブラックホールは、18世紀のナポレオン時代に数学者ラプラスによってその存在が予言されました。ラプラスは天体からの脱出速度について考えました。脱出速度とは、その天体の引力(重力)に引き戻されないで宇宙に飛び出していくために必要な速さのことですが、これには、天体が大きくなればなるほど大きくなり、同じ質量ならその天体が小さくなればなるほど大きくなるという法則があります。(地球の脱出速度は秒速11.2km、時速にして約4万km/h)。

 ラプラスは、太陽のような天体をギュッと押し潰してどんどん小さくしたらどうなるかと考えました。天体をどんどん小さくしたら、脱出速度はどんどんと大きくなりますから、最終的には脱出速度が光速を超えることも考えられます。脱出速度が光速を超えると、そこから光は出てこられない訳ですから、そのような天体は真っ暗で見ることができません。このような見えない天体がブラックホールです。

2001/06/09(Sat)
ブラックホール

 ブラックホールは重力でできた空間の穴です。しかし、三次元の世界に住む我々には空間(三次元世界)の歪みを見ることができません。つまり、その次元の世界の形は、その世界の外からしか見ることができないということです。わかりやすいように例を用いて説明したいと思います。二次元世界の住人が波状の面の上にいるとして、その人は面の曲がりを見ることができるでしょうか? もちろん見ることはできません。なぜなら二次元の住人は高さを持っていないからです。これは、我々が地球上にいる限り、地球が丸いことを確認できないのと同じだと考えても差し支えないでしょう。

 我々は、ブラックホールの穴を見ることができませんが、二次元の世界に置き換えて考えると容易に想像できます。柔らかいスポンジの上に鉄球があるとすると、当然、そのスポンジは鉄球の重みにより凹みます。ここで、この鉄球の大きさをどんどん小さく、質量をどんどん大きくすると、その凹みはどんどん深くなっていくことでしょう。そして、最終的にはそのスポンジに穴をあけることになります。ブラックホールでは、この歪みが三次元的に生じていると考えたら良いのです。

2001/06/09(Sat)
空間の歪み

 アインシュタインの一般相対性理論の重要な指摘の1つに「重力とは空間の歪みである」というのがあります。

 月と地球の関係を例にとって考えてみましょう。我々の常識では、月と地球の間には重力(万有引力)が働いて互いに引き合っており、この力が地球の周りを回る月の遠心力とうまく釣り合っているので、あのような軌動を描いていると理解しています。ところが、アインシュタイン理論では、地球の巨大な質量のために地球の周りの空間が曲げられており、その凹みにそって月が進むので、あのように地球の周りを回っているということです。つまり、重力とは空間の曲がりによって生まれる力であると理解するわけです。

 ここで問題となるのは、本当に空間が曲げられているかどうかということですが、これは観測によって簡単に確かめることができます。光には空間に沿って進むという性質があるので、もし空間が曲げられていれば、光も空間の曲がりに沿って進むことになります。このことを確かめるには皆既日食を利用します。つまり、本来は太陽の向こうに隠れて見えないはずの恒星が見えれば、その恒星からの光は、太陽によって生じた空間の歪みに沿ってきたことになるのです。

 太陽質量は星の理論によってわかっているので、アインシュタイン理論によって太陽の周りの空間がどのくらい曲げられるは簡単に知ることができます。その曲げられ具合と太陽の向こうの恒星からやってくる光の曲げられ具合(角度)が一致すれば予言は実証されたことになります。結果はアインシュタイン理論の予言した通りになったそうです。

2001/06/09(Sat)
ブラックホールは実在するのか

 宇宙論の世界では、ブラックホールは非常に有名な天体ですが、実際にはまだ1つも発見されていません。ブラックホールからは光すら出てこないのですから、見ることができないのは当然です。また、どんな観測器具を使っても直接に確認することはできません。

 しかし、ブラックホールの位置は大量のX線の検出により目星をつけることができます。ブラックホールになる星は、もともと2つの星が連なった二重星であることが多いので、一方が重力崩壊してブラックホールになると、隣の星の物質がどんどん吸い込まれることになります。このときに物質がぶつかり合うことで大量のX線が発生すると思われ、実際にそのような大量のX線を放出する見えない天体が発見されているのです。

 ブラックホールは一度できてしまうと絶対に消滅しません。周りの物質を吸い込んでどんどん大きくなっていくだけです。ですから、宇宙が歳をとっていけばいくほどブラックホールは増えていきます。研究家の話によると、我々の銀河系だけでも10万個はくだらないそうです。

2001/06/09(Sat)
ブラックホールの中はどんな世界か

 前述の通り、ブラックホールは空間に開いた穴です。そこにバリアーを超えて入ってしまうと二度と出てくることはできません。光すら出てくることができないのです。宇宙の情報は光(電波)によって伝えられるので、光が出てこられないということは、そこからはいかなる情報もやってこないということになります。我々は情報をやり取りすることによって互いに同じ世界にいることを知るわけです。「あの世」が「あの世」である所以は、「この世」と情報の交換ができないことです。同じ意味で、ブラックホールの内部は情報を遮断された世界なので、我々の世界とは異なる別世界であると言うことができます。

 佐藤勝彦教授の調べでは、相転移によって生じたブラックホールはトンネル(ワームホール)でずっと繋がっていて、その向こうには広大な別世界が広がっているということです。この世界はブラックホール(ワームホール)の向こうにあるのですから、我々の宇宙とは情報を遮断された別世界です。別世界ですから、「別の宇宙」と言って構わないと佐藤教授は言います。

 理論的にはこの別の宇宙でも相転移が起こるので、そこでもまた子宇宙ができ、さらにその子宇宙でも…とこのプロセスで際限なく宇宙が生まれることがわかったのです。つまり、宇宙は自分で宇宙を生むことができるのです。こうして生まれたたくさんの宇宙ですが、それらのあるものは我々と同じようにインフレーションによって急膨張し、ビッグバンを経て進化していると考えられます。我々の世界と同じですから、そこには銀河ができ、星が輝き、地球のような惑星があり、我々のような知的生物がいて、彼らも「宇宙は自分たちの宇宙以外にたくさんあるのではないか」と考えているかもしれないと佐藤教授は言います。

2001/06/09(Sat)

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