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実習の概要
実習を通して
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実習の概要

 保健所実習は、保健所での実習1週間と、保健センターでの実習2週間からなる実習。県内にある各市の保健所・保健センターに数名ずつで分かれて実習をしました。

 保健所実習では、健康診断の手伝いや精神障害者の社会復帰教室、難病で在宅療養を続ける方や未熟児を育てている方の家庭訪問などに参加させて頂きました。かなりスケジュール詰め込みすぎって感じで、次から次へとやることが巡ってきました。大学の附属病院での実習ではないというだけでも妙な緊張感が生まれ、かなり疲れる実習でした。

 保健センター実習では、さまざまな教室や健診に参加させて頂きました。私のやりたいこと教室、いきいき教室、健康づくり推進員養成講座、育児相談、歯科検診、4か月・1歳6か月・3歳児健診など。また、「自分たちで健康教育をする」ということが課題になっており、私たちは1歳6か月健診で母親たちを相手に健康教育をしました。

※この実習は、保健師免許を取るためのもので、看護実習ではありません。ただし、看護実習でも短期間だけ保健所での実習が取り込まれているようです。

実習を通して

 保健所実習では、私たちは県の外れ…大学からは最も遠い地区で実習させて頂きました。電車も30分に1本しかないという単線で行くようなところで、本当に田舎って雰囲気のする地域でした。

 大学病院ではないところで実習する数少ない機会ということで、妙に緊張していたことを覚えていますが、いろいろと素敵な出会いのある実習でもありました。

 私はこれまで、保健師という仕事に対して何のイメージも持っていませんでした。でも、この実習を通して保健師って仕事も良いかも…なんて思いました。病気の人が健康を取り戻す手助けをする病院での仕事も遣り甲斐があって良いけど、地域に住む人々の健康を促進していくって保健師の仕事も魅力的だなと思ったのです。

 私たちがお世話になった保健センターには、男性の保健師がいました。私が実習したのは男性の保健師資格が認可されてまだ間もない時期だったので、かなり貴重な存在だったでしょう。そんな出会いもあって、保健師に惹かれたのかもしれません。

 とにかく、人の心の温もりを感じるような、とても良い実習でした。

正座を制す

 保健所でも保健センターでも言えたことですが、保健師というのは、何とも正座をする機会が多い。本当に正座また正座って感じの日々でした。

 例えば、難病を抱える方や未熟児を抱える方の家庭訪問…滞在中はずっと正座です。もちろん相手方は崩しても良いと言ってくれるのですが、保健師さんがずっと正座でいる以上、学生の私たちが正座を崩すわけにはいきません。足がビリビリで、話が終わった後にフラフラしてみたりします。

 例えば、いろいろな健康教室。なぜかイスではなく畳に正座。正座って膝に悪いって言われてるのだから、これは私たちにとっては不健康教室なんじゃないのかってくらい、足が痛かった。

 私が普段、正座をしなくて慣れていないからでしょうか?とにかく、保健師って仕事は正座を制さなければできない仕事なんじゃないか…なんて思ってみたりして。。。

言えば言い当てる

 保健センターでの実習中、健康教室などのプログラムで知り合った人の中で、気になった人の家に家庭訪問させてもらうという課題がありました。

 この家庭訪問、アポイントメントを取るところから家庭訪問まで全て学生一人でやらなければなりませんでした。地図で相手の家を探すのも、地図で探した家まで移動するのも、全て自力です。正直、とっても緊張する課題でした。

 私は「わたしのやりたいこと教室」というレクリエーションを通じて機能回復、社会参加を促すという事業で知り合ったおばあちゃんの家庭に訪問させて頂くことにしました。

 地図で場所を調べ、保健センターのぼろい自転車を借りて出発!…そして、予想通り道に迷う。場所が分からずにそのまま帰ったんじゃ格好悪いと思い、必死に探すことしばらく、何とか辿り着くことができました。

 家に着くと、いろいろな話を聞かせて頂くことができました。特に何を聞かなければならないということもなかったため、取りとめもない話をしました。普段、おばあちゃんと二人で落ち着いて話す機会なんてなかったので、人生の先輩から学ぶことできる良い機会になったように思います。

 そのおばあちゃんは、足の悪くて「私のやりたいこと教室」に通っていたのですが、痴呆のおじいさんを介護していました。もう何十年も付き添ってきた仲だからねって。素敵な夫婦って感じでした。

 そこで、おばあちゃんが「言えば言い当てる」という言葉を教えてくれました。物事を悪いように考えれば、そのようになるし、良いように考えれば、そのようになる…ということです。要は前向きに生きた方が得だよって話ですね。素敵な言葉だと思います。

健康教育

 保健センターでの実習…この実習のメイン・イベントは何と言っても「健康教育」でした。私たちは男子学生2人のグループだったのですが、なぜか母子保健の分野でやることになってしまいました。そこで私たちが選んだのは、「1歳6か月児健診」での健康教育でした。つまり、1歳6か月になる子どもをもつお母さんたちを相手に育児の講義をするってことです。

 まずは、従来の保健センターで使われていた教材であるビデオを見せてもらい、そこから、どうしたら伝えたいことがより伝わるかなどを工夫していきました。

 私たちが工夫したこと…一方的な講義ではあまり頭に残らない、集中して聞くことができないと考えた私たちは、みんなに話を振りながら進めていくことにしました。そして、途中で劇をすることにしました。かなり恥ずかしいけど、注目を集めるには最適なので。。。

 いろいろと案を出し合い、保健師さんたちにも相談し、本番の前には保健師さんたちを集めてデモンストレーションまでして準備を進めていきました。講義をしただけでは後から思い出すことができないということで、オリジナルのパンフレットも作成しました。カラーで作ったので、印刷に費やしたお金はいくらだろ〜って感じです(ケチ臭いようですが…)。


 そして迎えた健康教育本番…どこから持ち出したのやらビデオまでセットされている。内心(おいおい)と思いながら健康教育を始めました。しかし、自分が話をしているとき、周りを見渡しても誰からの視線も感じられず、母親たちは走り廻る子どもの相手に一生懸命。寂しいものです。「もうイヤだぁー」と叫んで逃げたくなるほど。とは言え、途中で逃げ出す訳にもいかないので、何とか耐え忍んで頑張りました。

 そして、ついに劇のところまできました。劇が始まると、みんなからの反応もよく感じられ、私も少しは落ち着きを取り戻せたように思います…って、私は1歳6か月児の役で「わぁーい」とかやってる訳ですが。。。

 そんなこんなで、何とか1回目の健康教育を終わらせることができました。しかし、試練はまだまだ続きます。だって何十組もの親子が来ているのですから…ちなみに、もともとは親子10組ずつを対象に行う予定であったのですが、時間の関係で15組、20組と一回の対象者が増えていきました。20組って言ったら40人…いきなりそんな大人数の前で講義させられたらパニックにもなりますって。。。もうプレッシャーに耐えるだけって感じでした。

 ところで、自腹をたくさん払って作成したパンフレットですが、「せっかくもらったから持って帰ろ?」と子どもに話し掛けている母親もいましたが、ほとんどの場合は子どもに手渡して、集団指導が始まる前からグチャグチャになっていました。悲しかったー。

 と、決して大成功とは言えない健康教育でしたが、とっても良い経験になったと思います。このときに撮られていたビデオもちゃっかりダビングしてもらいました。たいへんだった課題も過ぎてしまえば良い思い出になるものですね。

お手伝い

 1歳6か月児健診の健康教育を担当させて頂くことになった私たちは、それなりに1歳6か月児の育児について勉強しました。そこで、保健師さんから学んだとっても良いことがあります。

 一般に、1歳6か月くらいになると、子どもには「自分でやりたい」という気持ちが芽生えてきます。この気持ちを「自立心」と言うのですが、この自立心を伸ばすのに、「お手伝い」がとても役に立ちます。お手伝いは、子どもの役割意識を高め、自分の存在意義を実感することができる機会となるのです。そこで、子どもにお手伝いをしてもらいたいのですが、では、どうしたらお手伝いをしてもらえるでしょう?当たり前の話ですが、子どもに「アレやって」「コレやって」と言って、無理に命令してさせるのではありません。

 私たちが考えた方法…それは、出来たことを誉めて子どもにやりたいと思わせるという方法でした。しかし、この方法には一つの問題があることを保健師さんに指摘されました。つまり、誉めるためにはまず子どもに何かしてもらわなければならない、ということです。なるほどって感じですね。

 そこで私たちが教えてもらったこと…それは、子どもは親の真似事をしたがるという特徴を利用した方法でした。つまり、親がやっている姿をみれば、自然と子どもは真似したがる。そこで、真似したがった時、まずは一緒にやってみて、できたことを誉めてあげる。そして次第に一人で出来るようになっていけば良いということでした。私はなるほどーと感心してしまいました。

 やはり育児ってのは奥が深いものですね。ちなみに、私たちが劇で演じたのも、このお手伝いをさせるためのやり取りでした。一人が母親役を、私が1歳6か月児の役を演じたのです。恥ずかしいぃ〜。


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