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やっと泳げた30メートル

小学校の卒業文集「かがやき」より

 ぼくは水泳が大の苦手できらい。体は冷えるし、15メートルぐらいしか泳げない。飛び込みは失敗して腹を打っていたいし、鼻に水が入ってツーンとしていたい。ぼくにとって水泳はいいとこなしだ。五年生の時、ぐうぜん泳げた25メートル。その時だって死ぬほど苦しかった。ぼくは自分に泳ぎのセンスがないんだと思っていた。

 先生が教えてくれた通りに泳いでいるつもりなのにほとんど15メートルぐらいだ。みんなは何で50メートルも泳げるんだ。またぼくは夏休みに特別練習なのかと思った。

 夏休みの特別練習。ぼくはクロールをすることにした。今日こそは25メートル以上泳ぐぞと思って泳いだ。一回のびるというけどそんなひまはない。早く息をしないと苦しくなってしまう。もうだめだ。立ってしまった。やっぱり15メートルだ。他の人はどんどん50メートルを泳ぎ切っていなくなっていく。もう10人くらいしかいない。神様はぼくを何で泳げないようにしたんだと思ったこともあった。

 次の特別練習の日。K先生に、
「苦しいのはみんないっしょなんだからがんばって泳げ。」
と言われて、ぼくは、みんな苦しさのかべをこえて50メートルを泳いでいるんだと思って、できるだけがんばった。苦しい。いつもならここで負けるんだ。だけどここで負けたら一生泳げないんだと思ってがんばった。しかし22メートル。50メートルの半分も行っていない。でも、まずは25メートルが目標。あと3メートルだ。もう少しねばれば25メートル。

 最後の日。今日泳げなかったらもう泳ぐ時はない。N先生が一人ずつ泳ぎを見てくれた。ぼくの番。だめでもともとと、思いっ切り泳いだ。その時、先生が、
「そう、うん、その泳ぎ方でいい。」
と言ってくれた。ぼくは自信がついてきた。
「最後に50メートル泳ぐよ。」
と言った。泳げっこないよと一度は思ったけど、最後なんだから思いっ切り泳いで50メートル泳ぎたいと思い始めた。

 ついにぼくの番だ。N君がぼくの前に35メートルも泳いだ。ぼくにだってやればできる。バシャ。飛び込んだ。もう苦しくて、鼻が痛い。だけど本当の最後の最後。絶対に泳ぐぞ。この泳ぎ方でいいんだ。先生が言ってくれたんだ。と思って一生懸命泳いだ。

 25メートルのかべが見える。あと3メートルだ。いつもはここで立ってしまうんだ。パッ。やっと25メートル。10秒の休けい。天の助けだ。また泳ぎ出した。でもやっぱり限界だ。ザバッ。ついに立ってしまった。だけど30メートル。いつもの2倍。N先生の一言でぼくは勇気づけられて、自信がついた。そのおかげで30メートルも泳ぐことができたんだ。

 ぼくは苦手だと思い込んでいるだけで、弱気になっていたみたいだ。でも最後だということで努力した。そして、N先生の一言でぼくは勇気づけられて、自信がついた。15メートルしか泳げなかった情けないぼくからぬけ出して、30メートル泳げるぼくになった。今度から、この自信や経験を生かして、長きょりに挑戦して行くつもりだ。

トシ



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