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素敵な出逢い

 初日から患者さんと喧嘩してしまった私は、二日目から違う患者さんを受け持つことになりました。しかし、その新しい受け持ち患者さんは、実はまだ入院していなくて…入院する前から受け持ち始めた珍しいケースとなりました。

 入院前のベッド・メイキングや名札の準備などから始まり、入院時のオリエンテーション、看護師さんのアナムネ(入院時に行う質問)、医師からのムンテラ(説明)など、入院前からの一通りの流れをすべて経験することができました。入院時には病名や治療方針もはっきりしておらず、患者さんはうまく現実を受け止められずに絶望的な表情をしていました。

 この患者さんは、47歳女性で、血性の胸水が溜まっていることから肺がんが疑われ、肺がんだとすれば余命6か月もないだろうという感じの患者さんでした。咳をしながら弱々しく声を出す感じで話され、息苦しいとのことでしたが、歩いたり食べたりする日常生活動作(ADL)は自立している…という状態でした。

 年齢はまだ47歳ということで、私の母と変わらないくらいですし、日常生活に支障はない…それなのに余命は半年もない…正直、信じられませんでした。

 「ただ咳が出るだけで、風邪をひいたくらいにしか見えないのに、本当に数か月のうちに死んでしまうの?」

 同情という訳ではありませんが、あまりに厳しい現実に私まで泣きたくなってきました。しかし、患者さん自身やその家族の方の悲しみ、ショックは私のそれとは比べものにならないほどに大きいでしょうから…

 「どうか少しでも心の痛みが癒されますように…残り短い人生かもしれないけれど、後悔ないように精一杯に生きてもらいたい」…そう思えてきて、「私にできることがあれば何でもしてあげたい」と心から思いました。

 それから、4週間に渡る実習をその患者さんと共に歩んできたのですが、私は精一杯に頑張ったと…患者さんの役に立つことができたと…そう信じています。

 素敵な出逢いでした。実習が終わった後も時々お見舞いに行き、楽しく笑顔でお話することができました。その後、治療がうまくいったのか、患者さんは無事に退院することができ…病気と闘いながらの日々かもしれませんが、半年を過ぎても笑顔のまま毎日を過ごされていました。

 今はもう会うこともできませんが、元気で暮らしていることを祈っています。



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