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できる看護師

2002/06/21(Fri)

 学生時代…もしくは患者の一人として、看護師はナースコールに対応するのが当たり前だと思っていた。しかし、実はそうではないことが分かってきた。一般の方々や看護に夢見る学生さんには少しショックな内容かもしれないけれど…

 はっきり言って、看護師の仕事は忙しい。特に夜勤などは看護師2〜3人で患者さん50人ほどを看ることになる。冷静に考えてもちょっと無謀…言い訳したいのではなくて、事実としてかなり忙しいということを理解して頂きたい。

 普段はナースコールを鳴らさない患者さんがナースコールを鳴らした場合、「どうしたのだろう?!」と心配になって飛んでいく。しかし、あまりにも頻繁にナースコールを鳴らす患者さんは、鬱陶しがられることになる。

 狼少年の話ではないが、今すぐでなくても良いようなことを、わざわざナースコールで知らせてくる患者さんに対しては、「またどうでも良いようなことだって」と後回しにされることがある。恐ろしいことだけれど、それも仕方ないと思えてしまう自分が情けない…。

 正直、いけないとは思いながらも自分自身もナースコールを鳴らす患者さんを鬱陶しいと感じてしまうことがある。例えば、痴呆により被害妄想のある患者さんがナースコールを鳴らし、「ここに靴を置いておいたんだけど、どこにやったかね?」なんてことを言い出されると、「忙しいんだから、そんなことで呼ばないでよー!」なんて思ってしまうことがある。申し訳ない…。

 逆に、患者さんからナースコールの対応について苦情を受けることもある。苦しくてナースコールを押したのに、いきなり「なにー?」とか「なんだったー?」なんて言われると気分が悪いということであった。確かに納得…せめて自分だけでも気をつけようと思う。

 実際の問題として、一緒に働くスタッフにも、「それってどうなん?」と思える対応をする准看護師がいた。「なんだった?それって今じゃなきゃダメなことぉ?」なんて言っている。冷静に考えれば、今でなければダメだからナースコールを押してきていると分かるのに、忙しいと「それどころではない」なんて考えが先行してしまうようである。

 忙しいからと言って仕事を疎かにして良い訳がない。「できる看護師」になりたいと思うとき、ついつい「仕事をこなせる看護師」だと思ってしまうことがある。でも、実際にはそうでなくて、忙しかろうが、疲れ果てていようが、患者さんに優しく、丁寧に接することができる看護師こそ、「できる看護師」だと思う。本当の意味でできる看護師になりたいものだ。

トシ



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